「化物語の英題はGhostoryらしい。訳した人マジ天才」
これはインターネットをさまよっていると定期的に目にする文言である*1。だが断言しよう。これを書き込んだヤツはGhostoryでググったことがない。
化物語の英題はGhostoryではない
Ghostoryで画像検索すると、以下の検索結果となった。
なんだ、物語シリーズの絵があるじゃないかと思うかもしれないが、これらはいずれも公式サイトや販売ページに繋がっていない。なんだったら多くはおそらく日本語話者が作成した(謎の)ページである*2。
じゃあ化物語の本当の英題はなんなんだよと思ったそこのアナタ。アナタはもう答えにたどり着いている。
BAKEMONOGATARIである*3。そのままだ。
Ghostoryはどこから来たのか
では化物語の英題がGhostoryであるという言説はどこから来たのか。ネット上で確認できた最古の書き込みはこれだ。
化物語をGhostoryと訳してるのを見かけて、最初に考えたのが誰なのか少し気になった。
— とーふや (@to_fuya) 2009年7月23日
このツイートを信じるなら、化物語のTVアニメ第一話の放送日は2009年7月3日であり、わずか20日で既にGhostoryというアンオフィシャル英題が誕生していたらしい。
ここからは完全に憶測になるが、Ghostoryはおそらく日本語話者、少なくとも英語のノンネイティブが考えたものだろう。というのも、化物語は上下巻で5つの短編が収録されているので、Ghostory的な言い回しにするにしてもGhostoriesとなるはずだからだ*4。その線で行くと、2009年当時はまだまだはびこっていた違法アップロードが関係しているような気がする。Ghostoryが誕生するまでの期間の短さから考えて、日本の違法アップローダーが何故かクリエイティビティを発揮してGhostoryというアンオフィシャル英題を付けた、というのが有り得そうなラインだが、今となっては調べようもない。真相は闇の中である。
*1:これとか。
コロモー on Twitter: "みんながアゲてくれた『天才だろと思った翻訳』 https://t.co/eZWBC6f6pf" / Twitter
これとか。
コロモー on Twitter: "みんながアゲてくれた『海外だとこんなタイトルなのか』と思う作品 https://t.co/6G6SX8dlaB" / Twitter
*2:実際に飛んでみるとわかる。暇な人はどうぞ。
*3:副題でMONSTER TALEと続く。BAKEMONOGATARIだけでは英語話者には意味が取れないからだろう。ちなみに偽物語の副題はFAKE TALE、猫物語の副題はCAT TALEである。