どの分野も素人

a.k.a. チラ裏

君たちは1頭の鹿からソーセージを作ったことがあるか

 鹿が獲れた。その鹿の肉と腸でソーセージを作ってみることにした。

素材集め

 鹿から肉と小腸を取る。肉*1はまあ適当に切り分けてひき肉にすればいいが、問題は小腸の洗浄である。小腸は洗浄して臭いを取らないととても口に入れる気にはならない。洗浄方法は諸説*2あるが、今回は小腸の片端にホースを突っ込んで水流で内部を15分ほど洗った後で一度冷凍し、解凍後に内部にレモン汁を注いでモミモミした。知り合いの知り合いのベトナム人がレモンと塩で小腸を洗っていたらしいので、なんとなく真似してみた。水とレモンのどちらがどれだけ貢献したのかはわからないが、最終的にはほぼ無臭にまでなった。

この写真は大腸だが、まあ大体こんな感じで水を通して洗浄した。出典:https://chikatoshoukai.com/2019-07-09/

実作

 まずは鹿のブロック肉をひき肉にする。

←before after→

 次にひき肉にスパイスと塩を足して混ぜていく。市販のソーセージにはどんなスパイスが入っているのかとシャウエッセンの原材料を確認したら、単に「香辛料」としか書かれていなかった。仕方がないので、今回はパセリ、セージ、ローズマリー、タイムを主軸に適宜ナツメグオレガノ、コショウ、岩塩を足した。

パセリ、セージ、ローズマリー、タイム、ナツメグ

ひき肉にスパイスを混ぜる

 書く順番が前後したが、ひき肉900gに対してマヨネーズを100gほど加えてドーピングを施している。パサつき防止のためだ。
 何度もスパイスの調整、味見を繰り返し、これでいいかなと思えたらいよいよ腸詰めに入る。

←before after→

 詰める過程はあまり余裕がなくて写真を撮っていなかったので、各自脳内で補完してほしい。
 とりあえず見た目は完全にソーセージである。これを70℃ぐらいのお湯で20分ほど茹で*3、最後に焼き目をつけるべくフライパンで軽く炒めた。

炒めた結果無惨な姿になったソーセージ

 炒めたら熱に耐えられなかったのか、腸が一部裂けてしまった。食べてみた感想としては・・・・・・つみれである。おいしいつみれ。どうしてこうなってしまったのか。

反省

 今回の自作ソーセージの反省点は、肉(タネ?餡?)の食感がどうにもソーセージらしくないことと、皮(腸)の食感がまったくパリッとしていなかったことである*4。順に改善策を見ていこう。

 まず肉の食感について。私は今回まずミンサーで粗挽きのひき肉を作った後、その肉をもう一度ミンサーに通して腸詰めした。計2回ミンサーに通したわけだ。そのおかげで肉の粒はだいぶ細かくなったと思っていたが、THE MAKING(216)ソーセージができるまでを確認すると、肉は粒どころではなかった。完全にペーストである。

https://youtu.be/QdL66cX8rCA?t=338

 これと、ミンサーを2回通しただけの肉。食感の違いは明白である。次に作るときは肉をミンサーに何度も通すか、延々フードプロセッサにかけてみることにしよう。あと、上記の動画ではスパイスはホールではなくパウダーを使用していた。その方が肉に馴染むのかもしれない。これも今度やってみよう。

 次に皮(腸)である。ここでひとつ私の頭をよぎるのは、私が小腸と思って持って帰ってきたものはそもそも本当に小腸だったのか、ということだ。「小腸ってアレでしょ?大腸の内側のウネウネしたやつ。それ間違えることある?」とか思ったそこのお前。これが意外とわからないのだ。

File:GI normal.jpg - Wikimedia Commons

 私はこれまで何頭もシカやイノシシやクマを解体している経験上、何度も哺乳類の内蔵を見ている*5が、しかし胃より肛門に近い臓器については恥ずかしながらほとんど見分けがついていなかった*6。食べる臓器と言えば心臓か肝臓の2択だったので、それ以外は見分ける必要がなかったのだ。
 というわけで、私が持って帰ってきたのは本当に小腸だったのか。解体中の写真が残っていたので確認してみよう。マジの鹿の臓器が写っているセンシティブなやつなので、苦手な人はここでブラウザバックするか、薄目で通過してほしい。↓この先100万光年。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鹿の小腸(仮)

 衛生面が気になるかもしれないが、そこは一旦置いておいてほしい*7。この写真に写っている臓器のうち私が切り取って洗ってソーセージの皮にしたのは、左上の、右手でつかんでいる部分である。さて、この部分は小腸だろうか。答えは今でもわからない。ただ右下の暗い紫色の部分(この部分は多分おそらく小腸)と比べると、なんだか見た目が異なる。左上のウネウネは胃から接続していたような気もするし、もしかしたら十二指腸*8なのでは?わからない、なにもわからない・・・・・・。

 というわけで、専門家により作成されたイノシシ・シカ内臓カラーアトラスを参照してみよう。もう1度鹿の臓器が、今度はもっと露骨に出る(警告)。許せ。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000058074.pdf p.15

 うーん、わからん。空回腸というのがいわゆる小腸だが、私がソーセージの皮にした部分とは色が異なるように見える。とりあえずこの写真のおかげで以前より遥かに正確に小腸を判別できるようになったので、今度鹿*9が獲れたらもう1度小腸を取り、ソーセージ作りに再挑戦するとしよう。

参考資料

 この記事のネタ元。

THE MAKING (216)ソーセージができるまで

 みんな大好きTHE MAKING。最近復活した、という報を聞いて私は初めてその存在を知った。ありとあらゆるものが工業的に生産されていく様は見ていて気持ちが良い(一部手作りもあるけど)。

イノシシ・シカ内臓カラーアトラス 肉眼所見 ダイジェスト版 

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000058074.pdf

 67ページもある豪勢なPDF。イノシシ、シカの健康な臓器と、病変したり寄生虫に感染したりした臓器の写真がたくさん載っている。どうやってこんなに症例を集めたのかわからないが、とにかくすごい。税金でこんなものを作ってくれているとわかると、納税にも気合が入る。ちなみに、この資料には

1.野生動物の取り扱いに関する基本的な考え方
1)野生動物は、清浄な環境で飼育された牛・豚などとは異なることから、原則として、内臓は食べないように指導する。 
(中略)
2.廃棄の判断
1)内臓廃棄の判断
(1)肉眼的に異常が認められない場合も、寄生虫感染が認められているため、可能な限り、内臓器については廃棄を推奨する。(基本的考え方1−1)
 食品の安全確保推進研究事業 野生鳥獣由来食肉の安全確保に関する研究班 編 (2014)『イノシシ・シカ内臓カラーアトラス 肉眼所見 ダイジェスト版』p.4 

と書かれている。

最後に

 この記事は野生動物の内臓の食用を推奨するものではありません。よろしく。

*1:モモでもロースでもどこでもいい。最終的にはひき肉にするから。

*2:内部にひたすら水を通す派、小麦粉で洗う派などが一般的。

*3:茹でる温度が高すぎると腸が破裂することがあるらしい。手作りソーセージを作ろう!|おもてなし|S&B エスビー食品株式会社

*4:味は悪くない。調べたら肉の重量の1/3ぐらいのラードや豚背脂を投入してスーパードーピングを施しているレシピもあったので、マヨネーズは2,3倍に増やしてもいいかもしれないが。参考:鹿肉ソーセージ試作(4回目)レシピ完成しました(*^_^*) | パクモグドットコム店長ブログ

*5:ヒトも含めて、哺乳類の内臓のつくりはよく似ている。胃の数が違うとかはあるけれど。

*6:なんとなく見た目が違うな、とは思っていたが、ではどれが小腸でどれが大腸でどれが盲腸か、という見分けはついていなかった。

*7:私しか食べないので。

*8:胃と小腸の間の管。多分。

*9:猪でもいいのかもしれない。

鹿スジカレー作るよ! (;`・ω・)o━ヽニニフ))【簡単】

 まずは近頃値上がりの激しい玉ねぎを3つか4つほどくし切りにして炒めていく。後々圧力をかけるので圧力鍋で。

まず玉ねぎを炒めます。

 この間に解凍を忘れていた鹿スジ肉と猪スジ肉を流湯解凍する。当たり前だが普通は事前にやっておいた方が良いし、事前にやっておくべきことでもある。

スジ肉の解凍

 そしたら次は人参を切って玉ねぎと一緒に炒める。乱切りは人参の存在感が不必要に大きくなるので輪切り派。

人参を切る

 解凍でき次第肉を切っていく。大体小指ぐらいの大きさだろうか。

肉を切る大きさの目安

 切った肉は野菜軍と一緒に炒める。下味として塩コショウを、臭み消し*1として黒胡椒をめっちゃ挽く。

肉を炒める。胡椒は多め。

 肉の8割ぐらいの色が変わったら、圧力鍋に入れていい量*2まで水を入れて煮る。そこそこアクが出るので、目立つものは取る。アク取りをサボると林間学校で作るカレーの味になるが、アレは非日常空間で作るからウマいのであって、家で作っても後悔するだけだ。よほどのこだわりがなければアクは取ろう。

肉の色が8割ぐらい変わったら水を入れる

 大方アクを取ったらいよいよ圧力をかける。圧力をかけるときは毎回爆発しないかドキドキするね。圧力の違いによる仕上がりは気にしたことがないが、とりあえずかけられる最大の圧力をかけておけば良いだろう。加圧20分。

圧力をかけて具材を煮る(20分)

 圧力鍋で具材を煮ている間に、テフロン加工の施された深鍋で小麦粉を炒める。カレー粉ではなくカレールウを使うのであればこの工程は不要だ。

小麦粉を炒める

 テフロンの焼けるニオイがするが、おいしいカレーを頂くためには仕方がない。寿命が縮まったテフロンに心のなかで合掌しながら小麦粉を炒める。小麦粉が茶色くなったらOKだ。

小麦粉が茶色くなるまで炒める

 圧力鍋での加圧が終了し、火を止めて圧力が下がったら小麦粉を炒めた深鍋に圧力鍋の中身を注ぐ。ここからはカレーの仕上げだ。カレー粉はもちろんのこと、下味となるブイヨン、コンソメ、鶏ガラスープの素などを投入して全体を煮ていく。今回はブイヨン5個、コンソメ4振り、鶏ガラスープの素3振り、カレー粉50gほどを投入した。おそらく一般的なカレーよりも色々入れすぎであり、えらい濃いカレーになったのだが、それでもおいしく食べられる範囲だ。臆せず色々入れてほしい。多分大丈夫だから。

炒めた小麦粉に圧力鍋で煮た汁と具材を投入し、カレー粉やブイヨン、コンソメ、鶏ガラスープの素などを加えて完成を目指す

 完成!

完成!

 作ってから1晩寝かせるとより美味しくなる気がする。

*1:意味があるのかは正直わからない。

*2:普通圧力鍋には線が書いてある、

スマホやPCがヌルヌルし始めたのはいつからか

 PC画面や映像がなめらかに動いていることが「ヌルヌル」と表現されるようになって久しい。10年ぐらい前にはこういう言い方をしていなかったような気がするが、果たして私の記憶は正しいのだろうか。ヌルヌルの起源を探る。

【目次】

今回探すもの

  • PC画面や映像がなめらかに動いていることを指して「ヌルヌル」と表現している最古の用例。

用例.jp

 まず手始めに用例.jpで「ヌルヌル」の用例を探す。もしかしたらここで見つかるかもしれない。

 「ヌルヌル」で190、「ぬるぬる」で731の用例がヒット。余談だが、「ヌルヌル」だと村上龍*1、「ぬるぬる」だと村上春樹がやたらとヒットした。村上姓の作家はヌルヌルぬるぬるしているらしい。
 1000件弱の用例のうち、とりあえず私が探しているのに近い意味で「ヌルヌル」という言葉を使用している用例が3件見つかった。順に見ていこう。わかりやすいようにヌルヌル該当箇所は太字にしてある。

松倉 日本のアニメファンは3コマ作画という、24pだけど中に入っている絵は8枚っていうタイミングで動いている映像に慣れているので、3Dでヌルヌル動くのは嫌われる危険性がありました。ただそこは、SMDEさんの方でうまく調整していただいたので、非常にアニメチックに動いていると思います。そのあたりは経験とデータですね。ただレンダリング枚数は非常に多くなるので、撮影部にとっては大きな負担でしたが。

「ハイスコアガール」がアニメになるまで 制作統括・松倉友二のこだわりとJ.C.STAFFの挑戦(2/2 ページ) - ねとらぼ

我が目を疑ってしまった。戦場ヶ原さんの肉体が、まるで行き過ぎたCGのような、ぬるぬるした動作を見せたのだ。
西尾維新猫物語(白)』

キャラクターの立ち姿のイラストに動きや視点移動の表現を与える画像技術を、登場人物との会話システムに組み込んだもので、O.I.U.システムとは「O(俺の)I(妹がこんなに)U(動くわけがない)システム」の略称とされる。原作ライトノベル中で作中アニメの動きを形容する表現として用いられていた「ぬるぬる動く」というフレーズが、本作の宣伝にも用いられている。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル - Wikipedia
ここでの原作とは伏見つかさ俺の妹がこんなに可愛いわけがない』第1巻を指す。

 ねとらぼの記事は2018年8月10日公開、『猫物語(白)』の初版発行は2010年10月28日、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』第1巻の初版発行は2008年8月10日。10年前にはヌルヌル言ってなかったとか書いたが、実際にはもう14年前には用例があった。迂闊でした。・・・・・・とりあえず2008年8月10日を起点に、これより古い用例がないかを調べていこう。
 ここからはGoogle検索のbeforeコマンドを使う。Google検索では「[検索したいワード] before:年月日」という風に入力すると、入力した日付よりも前に公開されたものを検索することができる。便利だね。

ヌルヌル 動作 before:2008/8/10

まぁやっぱ前評判どおり、従来のFPSのイメージとは違いライトゲーマー向けの作りで、動作は韓国ゲー独特のヌルヌル感が強く、FPSゲームとはあまり思えない操作感。(中略)低スペックでの動作を実現する為に最新FPSにしてはグラが旧世代のものだし、動作がぬるぬるしてるし。

スペシャルフォース - 独りで歩いてく人のブログ

 上記のブログ記事の公開日は2006年12月1日。なんかヌルヌルをマイナスの意味で使っていて私が求める用例とは若干ズレてる気がしないでもないが、なに、これより古い用例を見つければ問題ない。

ヌルヌル 動く before:2006/12/1

おそらく最高画質設定であろうゲーム画面がヌルヌル動くのを見て、本気でハイエンドビデオカードが欲しくなりましたよ。

PCゲームレビュー「F.E.A.R.」

 [ヌルヌル 動作]ではヒットしなかったので、検索ワードを[ヌルヌル 動く]に変えてみた。そうしてヒットした上記のGAME Watchの記事の公開日は2005年11月8日。だんだん遡る幅が小刻みになってきた。

ヌルヌル サクサク before:2005/11/8

もう、気味悪いほど、スムーズに、ヌルヌル動いて踊ります。

PS2ゲームレビュー「SOCOM II: U.S. NAVY SEALs」

 [ヌルヌル 動く]でもヒットしなくなったので、さらに検索ワードを変えた。ヒットしたのはまたしてもGAME Watchの記事である。今度は2004年8月30日。もうGAME Watch内で検索すればいいのではと思ってやってみたが、GAME Watchには残念ながらこれより古いヌルヌルの用例は見当たらなかった。

ヌルヌル アニメ before:2004/8/30

 ここで今更ながら同人用語の基礎知識に「ぬるぬる動く」という項目があることを知る。

 セル枚数がただ多いだけの動き、あるいは1990年代から一部のアニメが積極的にCGを効果として使うなどして、そのスムーズなだけでメリハリがない動きを、「気色悪い」「ぬるぬるとして気味が悪い」 と批判する意味で 「ぬるぬる」 を使うことがポピュラーになっていました。 元々はアニメの世界で批判的な意味で使われていた言葉が、ファン層はかぶりながらも価値観が微妙に違うゲームやパソコンの世界で意味が逆転して賞賛表現になった…。 言葉というのはとても面白い変化をするものです。

ぬるぬる動く/ ぬるぬる/ 同人用語の基礎知識

 なんと、もともとスムーズな動きを指しての「ヌルヌル」はアニメの文脈で用いられていたらしい。というわけで検索ワードを[ヌルヌル アニメ]に変えて検索検索ゥ。

小黒 幻海が美形キャラと戦う話があったじゃないですか(第49話「残された力! 幻海の死闘」)。人魂みたいなエフェクトが出て、人を喰っちゃうところがあるんですが、あれも西尾さんの原画ですか。
西尾 そうです。
小黒 ああいうエフェクトも描くんですね。ヌルヌル系の
西尾 ええ(笑)。まあ、あそこら辺も『八犬伝』ショックですよね。『八犬伝』を観ながら描いていたような気がします。

WEBアニメスタイル アニメの作画を語ろう

 ヒットした上記の記事はアニメーターのインタビューであり、掲載日は2003年3月1日。記事を読んだ感じ、スムーズな動きを指しての「ヌルヌル」はこれ以前から用いられていたような雰囲気を感じるのだが、残念ながらこれ以上古い用例を見つけることはできなかった。完全に推測だが、これより古い用例となると紙の雑誌にあたらないと出てこないように思う。2003年以前ともなると雑誌の販売額は現在の2倍以上あり*2、まだ雑誌が元気だっただろうと思われるので*3

まとめ

  • インターネットで見つかる最古のヌルヌルは2003年3月1日のもの*4
  • もっと古い用例もありそうだが、それを見つけるには紙の雑誌にあたる必要がありそう。

 この調査を始める前、私はPC画面や映像に対して「ヌルヌル」という表現を使うようになったのは比較的最近、早くともスマートフォンが普及し始めてからだろうと考えていた*5。しかし予想に反して、ヌルヌルの用例は19年前から存在していた。何事も調べてみるものだ。これがFACTFULNESSである*6

 最後に、用例.jpの検索結果を眺めているうちに得たちょっとした知見を共有してこの記事を終わりにしよう。

  • 作家によって「ぬるぬる」表記か「ヌルヌル」表記かが分かれる。

 電子版がセールやってた(2022年5月8日20時現在)。

*1:あとLeafの『痕~きずあと~』も数多くヒットした。

*2:雑誌販売額 | 出版科学研究所

*3:推測に推測を重ねる形になるが、ヌルヌルは割と俗っぽい表現なので書籍よりも雑誌という比較的くだけた場で用いられることが多い気がする。

*4:より古い用例を見落としている可能性は当然ある。

*5:ヌルヌルという表現はスマホのレビュー記事とかで見る印象があったので。

*6:エアプです。読んでないです。

鹿ハンバーグ作るよ! (;`・ω・)o━ヽニニフ))

 鹿が獲れたのでひき肉からハンバーグを作る。まずはモモ肉を一口大に切る。

鹿モモ肉

 毛がついてるとか気にするな。そのへんで獲った鹿肉にはよくあることだ。

カットした鹿モモ肉とミンサー

 カットした鹿肉をミンサー*1に通し、ひき肉を作っていく。

ひき肉が生まれる様子

 ついでに玉ねぎもミンサーに通す。するとすりおろしとみじん切りの間の子が生まれる。包丁でみじん切りを作るよりは楽だ。

みじん切り玉ねぎが生まれる様子

 汚いとか言うな。まっ白いお米がどろんこからできる*2ように、おいしい料理も汚い工程から生まれるのだ。

ミンチ完了

 これを捏ねていく。つなぎは以下の通り。

つなぎ軍

 左から、マヨネーズ、赤味噌白味噌、パン粉、カレー粉、黒胡椒、卵、酪王牛乳。あと撮り忘れたがナツメグも入れた。
 マヨネーズはドーピングのため*3、味噌は塩分補充と味付けのため、カレー粉は香り付けのため*4、黒胡椒は肉の臭みを消すため、パン粉と卵は具材を一体化させるために入れる。酪王牛乳福島県民だから入れている。
 各調味料について、マヨネーズが肉の5%の重量であることを除けば量は決まっていない。つなぎを多くするとやわらかハンバーグになるらしいよ。知らんけど。

ハンバーグは自由だ。好きに捏ねろ。

 調味料を任意の分量投入し、ひたすら捏ねる。一発で美味く仕上がるはずもないので、適宜少量を焼いて味見する。

味見の際にはコップに冷たい水を用意しておき、常に口内をフレッシュに保っておきたい。調味料を追加投入したタネを続けて味見すると味がわからなくなってくるので。

 味噌を入れすぎてしょっぱくなったときは酢を少量入れるといい。少量の酢は、意外にも酸味を発揮することなく塩辛さを軽減してくれる。あさイチで見た。

油は多めで焼いていく

 味が決まったら、後は成形して焼くだけだ。焼くときはサラダ油を多めに使い*5、最初に中火で焼き目をつけた後、重さにもよるが15-20分ぐらいかけて蓋をして弱火でゆっくり焼いていく。

蓋をして弱火で15-20分

 焦げないように途中何回かひっくり返しながら焼く。

食べ頃は温度で知ろう

 さて、厚生労働省は肉を食べる際には十分に加熱することを推奨している*6。具体的には中心部の温度が「75℃で1分」「70℃で3分」、「69℃で4分」、「68℃で5分」、「67℃で8分」、「66℃で11分」、「65℃で15分」加熱すれば良いらしい*7。肉汁の色で判別する方法は意外と高温になってしまうので、個人的には温度計を使用して、任意の温度で規定の時間加熱する方法をおすすめする。

完成!

 ハンバーグが焼けたら、フライパンのサラダ油ごと器に盛って完成だ。焼いている間に油と肉汁が混ざり合い、良い具合にソース代わりになる。

参考文献

 この記事のネタ元?

家畜化という進化ー人間はいかに動物を変えたか

 いやあんまり参考にしてないけど。豚の章と牛の章だけつまみ食いしたけど面白いよ。

*1:ひき肉製造機

*2:コミックLOコピーbot on Twitter: "まっ白いお米は、どろんこからできます。 https://t.co/lU3lxhXwVv"

*3:家畜化されて8000年以上経つ、つまり8000年以上美味しくなるよう品種改良を施されてきた牛や豚の肉と違い、鹿は単体ではジューシーさに欠ける。しかし人類の叡智マヨネーズは、8000年以上ただ野山を走り回っていただけの鹿の肉にもジューシーさをプラスしてくれる。鹿ハンバーグには必須の調味料だ。

*4:クミンだけでも正直構わない。

*5:油をケチると焦げる。

*6:お肉はよく焼いて食べよう|厚生労働省

*7:https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000365043.pdf

きゃたつ=三都慎司説

 こんなツイートがあった。

 確かに似ている。そして上記のツイートはこう続く。

 三都慎司=紙魚丸説はなかなか豪快で笑ってしまった。このツイートを引用して紙魚丸はやんわりと否定していたので、少なくとも紙魚丸は別人だろう*1。しかしこの「きゃたつ」なる漫画家のことを私は知らなかったので、少し調べてみた。イラスト1枚で見るとたしかに三都慎司そっくりだが、本当に同一人物なのだろうか。

結論:同一人物

 いきなり結論だが、十中八九きゃたつと三都慎司は同一人物である。以下にその根拠を示す。

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『ふぉとくら』第1話1ページ目

 ↑が『ふぉとくら』第1話1ページ目だ。1コマ目のパンツをよく覚えておいてほしい。

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三都慎司のFANBOX投稿一覧

https://www.fanbox.cc/@shinjimito/posts?page=2より

 続いてこちら(右側)は、三都慎司のある日のFANBOXの投稿である。有料記事なので中身までは貼らないが、これを見ればきゃたつが三都慎司の別名義であることは一目瞭然だろう。

補足(内容紹介)と終わりに

 全然『ふぉとくら』の内容に触れずに来てしまったので、ここらで紹介しておこう。『ふぉとくら』は多分フォトクラブの略で、もしかするとフォトグラフとかけているのかもしれない。大学の写真部(男2:女2)が部室や各々の部屋で駄弁る話で、大体『惰性67パーセント』である。作中の写真部の部長(平沢)が住む寮が「近衛寮」という名前*2なので、舞台はおそらく京大写真部だ*3

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『ふぉとくら』第6話1ページ目

 新規入寮で揉めている吉田寮(をモデルにしていると思われる学生寮)で「入寮生募集中」の看板を掲げているのは、もしかしたら作者の思想なのかもしれない*4
 三都慎司作品にたまにあるコミカルなやり取りが好きな人、『惰性67パーセント』が好きな人は楽しめると思う。だが『ふぉとくら』と『惰性』はあくまで似て非なるものなので、「『惰性』があるから十分!ケッ!」とか言わずに読もう。面白いよ。

 ちなみに、当たり前だが何故別名義なのかは私は知らない。シリアスな話は三都慎司で、コメディはきゃたつでいくのだろうか。

*1:紙魚丸 on Twitter: "惰性はキャラの目が基本ベタでやっつけてるから多分 別人… "

*2:かの有名な吉田寮は、かつて吉田近衛寮と呼ばれていたらしい。京都大学吉田寮 - Wikipedia

*3:ちなみに三都慎司は京大OBだそうだ。なにかを諦めるということ|Shinji Mito|pixivFANBOX

*4:個人の深読みです。

歴史を学べば、警察との問答も楽しくなる

 警察に「適正アルコール量は?」と尋ねられたことはあるだろうか。私はある。猟銃の所持許可を警察に申請したときにされた。警察は申請者がマトモなやつかそうでないかを見極める必要があり、その一環として警察官と申請者一対一での面談があり、その中で上記の質問が繰り出された*1

 この質問が繰り出されたとき、私は無難な回答をしながらも、内心その意図をはかりかねていた。前科とかを訊くならわからんでもない*2。だが適正アルコール量って何だ。そんなもん訊いて一体何がわかるんだ。

 この質問の答えを求め、私は5000年前に飛んだ。

現代文明の源泉

 前4000年紀後半から前3000年紀にかけて、ティグリス川とユーフラテス川に挟まれたメソポタミア南部ではシュメール人と呼ばれる民族が複数の都市国家を形成し、覇を競い合っていた。彼らがどこから来たのかはわかっていないが、彼らの残した文化はギリシア、ローマに受け継がれている。現代の先進諸国の文明はヨーロッパの文明に端を発するので、シュメール人の文明はいわば現代文明の源泉である*3

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https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Standard_of_Ur_-_Peace_Panel_-_Sumer.jpg

 シュメール人の文明は人類最古の文明といわれるだけあり、現代社会にも残っている様々な制度や文化を生み出した。たとえばハンコ。現代日本はハンコ社会*4だが、その起源はシュメール社会に遡る。他にも、文字、政府、学校*5、学園モノの文学作品、法律、定礎などなど、シュメール社会に遡れる現代の文化は数多くある。

文明人の自負

 何故シュメール人は文字やハンコを生み出し、政府を組織し、種々の制度を整えたのか。それはシュメール人たちが「都市に住む文明人」を自負していたからである。中でも彼らは、ビールを飲むことを重要視していた。『ギルガメシュ叙事詩』には、ギルガメシュの友人、エンキドゥについてはじめ次のように記されている。

エンキドゥはなにも知らない
食物を食べることも
飲物を飲むことも
彼はならわなかった

矢島文夫 (1998)『ギルガメシュ叙事詩』 (ちくま学芸文庫) (p.40). 筑摩書房. Kindle版. 

 ここでの飲物とはビールのことである*6。エンキドゥは大地の女神アルルによって泥から生み出された人間であり、当初は森で野獣のような生活を送っていた。「食物を食べることも 飲物(ビール)を飲むことも 彼はならわなかった」とは、その野獣っぷりを表現した言葉である。

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https://www.ancient-origins.net/news-history-archaeology/sip-sumerian-ancient-beer-recipe-recreated-millennia-old-cuneiform-tablets-021492 より。
上段右2人は甕からストローでビールを飲んでいる*7

 また、シュメール人はビールについて次のようなことわざも残している。

楽しくなること、それはビールである。いやなこと、それは(軍事)遠征である。

ビールを飲みすぎる者は水ばかり飲むことになる。

小林登志子 (2005)『シュメル―人類最古の文明』p.58, 中公新書

 いかにシュメール人がビールを飲むことを重視していたかがわかるだろう。

 しかも、シュメール人は当時からアルコールに対する水の有効性を理解していたらしい。アルコールには利尿作用があり、酒ばかり飲んでいると身体は脱水状態になる。身体が脱水状態になるとアセトアルデヒドの排出が遅れ、二日酔いになりやすくなる*8。よって二日酔いを回避するには、水をたくさん飲めば良い。シンプルだが効果的な手法である。今後二日酔いでへばっている人間には「水飲まなかったの?5000年前のシュメール人でも飲んでたよ?」と言ってあげると良いだろう。

アルコールと上手に付き合う(適正アルコール量を定量的に把握して)

 話を戻そう。警察は何故、猟銃の所持許可を申請した奴に対して「適正アルコール量は?」と訊くのか。それは5000年前からビールを飲むことが文明人の証であり、5000年前から人類はビールに含まれるアルコールと上手に付き合ってきたからである。警察に言わせれば、己の適正アルコール量を把握していないような奴は文明人ではない、文明人ではない奴に銃は持たせられない、ということかもしれない。

 さて、それでは適正アルコール量とは一体どれくらいなのか。そんなもん人によるだろと思うかもしれないが、実は「節度ある適度な飲酒」というものが厚生労働省により次のように定められている。

節度ある適度な飲酒:1日平均純アルコールで約20グラム程度の飲酒
厚生労働省, 健康日本21, https://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/intro/index_menu1.html

 純アルコール20gというと、ビールなら500mlである。ロング缶1本飲めば終わりだ。個人的には少なくない?とは思うが、日本人は酒に弱い人が多い*9ので、本当はそのぐらいに抑えておくのが良いのかもしれない。

終わりに

 警察の何気ない問いには5000年の歴史が詰まっていた。「歴史を学ぶのは現代を理解するため」という言葉を高校の世界史か日本史の授業で聞いた気がするが、全くその通りである。

参考文献

 この記事のネタ元。

シュメル―人類最古の文明

 シュメール人関連の話はここから。この本を読めば、シュメール人がいかに多くのものを生み出したのか、またそれが現代に受け継がれているかがわかる。固有名詞がわんさか登場してややつらい部分もあるが、読んで損はない。ちなみに日本では「シュメール」表記が一般的でこの記事もそれにならったが、「シュメル」の方が本来の発音に近いらしい。

ギルガメシュ叙事詩

 ご存知ギルガメシュ叙事詩である。名前ぐらいは聞いたことがあるだろう。金ピカ鎧だったり上裸だったりするアイツの元ネタだ。他にもエンキドゥとかイシュタルとかエレキシュガルとか、聞いたことのある名前が登場する。普段やってるソシャゲの出典が知りたい人は読むといい。ソシャゲをやってない人も、この本単体で面白いので読むといい。さすがにギルガメッシュ叙事詩そのものが面白いとは言い難いが、この本は半分ぐらいが訳者による解説で、その解説が面白いのだ。

 せっかくなので原典*10よろしくタブレットで読め、と言いたいところだが、タブレットは注釈と本文の往復が大変なので紙で読んだほうが読みやすいと思う。私はタブレットで読んで大変だった。

無水アルコールの美味しい飲み方

 「酒に含まれるアルコール量を定量的に示す」というアイデアはこの本から。飲めないはずがない無水アルコールが何故飲んではいけないことになっているのかについての丹念な調査と、無水アルコールを美味しく飲むためのレシピが載っている本(同人誌)。身近な存在であるアルコールの毒性についても触れられているので、酒好きは読んで正しい知識を身に着けると良い。500円でPDF版が買える。

*1:他には「ギャンブルはする?」などがある。

*2:そっちでわかるだろとかは置いておいて。

*3:旧約聖書に登場するノアの方舟の伝説も、もとを辿ればシュメール人の伝説に行き着く。

*4:ここ1年ぐらいで急速に廃れてはいるが。

*5:政府で働く役人を養成するためのものなので現代の学校とはだいぶ趣が異なるが、親が物事を教えるより子供を1箇所に集めて教えることの上手い人が教えたほうが合理的という思想は紛れもなく学校である。

*6:ちなみに食物はパン。

*7:当時のビールは濁り酒で表面に麦の殻が浮いていたため、葦のストローで飲んでいたと考えられている。

*8:飲酒時は脱水状態になりやすい。|経口補水療法|味の素株式会社

*9:テーマ02 「あなたはお酒が強い人?弱い人?」|国税庁

*10:粘土板。

刃を研ぐ際に見るべきアニメ1位は『らき☆すた』

 皆さん刃は研いでおられるだろうか。私は日々研いでいる。

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画像はイメージ

 ここでいう「刃を研ぐ」とは7つの習慣的な話ではなく、物理的な刃物を研ぐことである。私は平均して週に1,2頭のイノシシやニホンジカを解体し、解体に用いたナイフは随時砥石で研いで切れ味を復活させている。しかし時には研ぐ暇もなく次から次へと解体することもあり、そうなると刃の切れ味は徐々に落ち、遂には全く切れなくなる。この間研がずに5頭目の解体に着手したら全く切れず、刃を注視したら若干波打ってすらいた。

 全く切れなくなったナイフの切れ味を復活させるには、金か時間をかける必要がある。粗い砥石を買えば手っ取り早く復活させられるが、今月の出費はできるだけ抑えたかったので、私は今ある砥石*1で長時間研ぐ道を選んだ。その際に少々の学びを得たので記事にする。

長時間は研げない

 刃物を研ぐ行為は単純作業の繰り返しである*2。ただただ愚直に、一定の力加減とリズムで砥石の上にナイフを滑らせる。砥石の表面が乾いてきたら水を垂らす。これをナイフが切れるようになるまでやる。それだけだ。

 シカやイノシシを1,2頭の解体をしただけのナイフなら5分も研げば元通りの切れ味になるが、波打った刃を元に戻すのはそう簡単ではない。研いでも研いでも終わりが見えず、気づけば私の手は止まっていた。理由は明白で、飽きたのだ。ただただナイフを滑らせる作業が面白いはずもない。しかし、手を動かさなければいつまで経ってもナイフの切れ味は元には戻らない。どうしたものか。

らき☆すた』を見て機械になる

 森博嗣は自身の著作で次のように書いている。

「集中」とはすなわち、人間に機械のようになれという意味なのだ。集中力というと聞こえは良いけれど、言い換えれば「機械力」が相応しい。人間らしさを捨てて、脇目も振らず、にこりともせず作業をしなさい、ということである。

森博嗣(2018)『集中力はいらない』p.6, SBクリエイティブ.

 なるほど。私に足りなかったのは集中力だと思っていたが、もっと言えば機械のように淡々と作業する能力だったようだ。だが原因がわかったところで、足りない集中力(機械力)がいきなり生まれてきたりはしない。特に打開策を見いだせなかった私は、とりあえずNetflixを開き、『らき☆すた』を見始めた。

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らき☆すた』第1話

 見ている間は手は空いているので、とりあえず研ぎ始めた。するとどうだ。かつてないほど研ぎは捗り、2話分ほぼ休まずに研ぎ続けられ、若干波打っていた刃は元以上に切れるようになった。

ラジオや音楽ではダメなのか

 これまで、ナイフを研ぐ際にラジオや音楽を聴いたことはあった。それでもそれなりに捗っていたのだが、『らき☆すた』視聴時の研ぎの捗りは、ラジオや音楽を聴いた時の捗りとは桁違いだった。一見すると耳だけ取られるラジオや音楽の方が、目も耳も取る『らき☆すた』に比べて私の集中を阻害しないように思えるのだが、現実は逆だった。何故こんなことが起こるのか。

 おそらくは、「ナイフを研ぐ」という作業が簡単すぎるのが原因だ。ナイフを研ぐ際にはほとんど頭を使わないので、ラジオや音楽を聴いてもなお脳のリソースが余る。余ったリソースで他のことを考えてしまい、結果手が止まる。

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研ぎ + ラジオの際の脳内

 これに対して、『らき☆すた』を見ながら研いだ場合はどうか。耳だけで内容を把握できるラジオや音楽とは異なり、『らき☆すた』を見る場合は当たり前だが目を画面に向ける必要がある。そのため『らき☆すた』を見ながらナイフを研ぐと、ラジオや音楽を聴いているときよりも他のことを考える余裕はなくなり、より集中できる(機械に近づける)。

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研ぎ + らき☆すたの際の脳内

何故『らき☆すた』なのか

 これは私の肌感覚でしかないのだが、単純作業のお供に適した映像作品には2つの特徴がある。

  1. 内容が無に近いこと。
  2. 「作品の内容は知らないけど、キャラクターは見たことがある」くらいの作品であること。

 1は首肯しやすいだろう。いくら単純作業のお供とはいえ、緻密な脚本やダイナミックな展開が売りの作品を研ぎながら見るのは難しい*3し、そもそもそういう作品は片手間ではなくちゃんと見たい。そうなると、多少見逃しても見逃した部分が気にならないよう、内容が気にならないもの、平たく言うと内容が無の作品が望ましい。

 次に2の話にうつるが、いくら単純作業のお供とはいえ、全く知らない内容が無の作品を見るのは辛い。2はそういう悲しい体験を回避するための大事なポイントである。一切の取っ掛かりがないと見る気が全く起こらないが、キャラクターというフックがあればまだ見ようかなという気になる。

 この2つの条件を満たすのが、私にとっては『らき☆すた』だった。

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OPサビ前で一瞬だけ映るダブルピースかがみん

 メインの4人は見たことがある。ツインテールのキャラがゆるきゃらと化している*4のも知っている。あとOPも知っている。そしてこれは見始めてから知ったのだが、内容が無である*5。それらを兼ね備えた『らき☆すた』の作業捗らせ力は絶大であり、故に『らき☆すた』を見ながら研がれた刃物の切れ味は一味違うものとなるのだ。

終わりに

 『らき☆すた』は私にとっては最高の単純作業のお供だったわけだが、おそらくこれは万人に適用できるものではない。ただ一般的な傾向として、作業中に何度も端末を操作するのは煩わしいので、ある程度の再生時間のあるものがお供には向いているだろう。

参考文献

 この記事のネタ元。

集中力はいらない

 ミステリィで有名な著者が近年ずっと量産しているエッセィのうちのひとつ。著者の他のエッセィとの内容面での被りが散見されるので、いくつか著者のエッセィを読んだことがあるなら正直読む必要はないと思う。

「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》

 互換性、ひいては標準の歴史を辿った本。前の記事*6でも使った。基本的には物の規格の話をずっとしているのだが、第五章では「科学的管理法」の名のもとに人間の動作を標準化し、機械工に最高効率の働きをさせようとした技術者、フレデリック・W・テイラーの話が出てくる。

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File:Frederick Winslow Taylor.JPG - Wikimedia Commons

 『集中力はいらない』を読むと、テイラーが「人間を機械の代わりにしようとした人」に思えて味わい深い*7

らき☆すた

 2021年11月10日現在、『らき☆すた』はNetflixでも配信しているが、13日に配信が終了してしまう。Huluやdアニメストアでも配信しているようなので、気になる人は早めに見るか、配信しているサービスと契約しよう。

*1:

*2:こう書くとこだわりのある人からは石を投げられそうだが、シカやイノシシの解体に使うナイフぐらいなら実際そうなのだ。

*3:どうしても流し見になるので。

*4:かがみん、不審な男に声掛けられる寸劇 アリオ鷲宮で110番キャンペーン 緊急性ない相談は♯9110に

*5:チョココロネの食べ方とか、普通に見たら見てられないと思う。

*6:罠ガールは槍を作るべき - ラテン語で言えば何でも立派に聞こえる

*7:実際そうなのかもしれないが。